講習内容
タンデム自転車の基本
- 構造と特徴の説明
- パイロットとコパイロットの役割分担の説明
- 交通ルール
安全に関する説明
- ヘルメット着用の義務
- 出発前の安全点検項目の確認
- 走行中の注意点(急な操作の禁止、下り坂での速度制限など)
- 緊急時の対応(転倒時の対応、故障時の対応など)
操作方法の説明
- 発進時の注意点(2人のタイミング合わせ)
- 停止時の注意点(バランスの取り方)
- 変速操作の説明(ギアの選択方法、ケイデンスの合わせ方) ※ケイデンスとは、1分間のペダルの回転数のこと。
- 旋回時の注意点(低速での旋回の難しさ、体の傾け方)
声掛けの練習(視覚障がい者コパイロットの場合)
- 声かけの重要性の説明
- 状況に応じた声かけの例の紹介(発進時、停止時、旋回時、坂道時、路面状況、周囲の状況)
- ロールプレイング形式での声かけ練習
実走練習
- 基本操作の練習(発進、停止、変速、旋回)
- 声かけの実践
- コース走行
タンデム自転車の基本
タンデム自転車は、2人乗りで協力して走行する自転車です。前方を操舵する人をパイロット、後方をサポートする人をコパイロットと呼びます。
- 構造: 通常の自転車と似ていますが、フレームが長く、サドルとペダルが2組ずつあります。
- 特徴: 2人で力を合わせるため、単独で乗るよりも推進力が増し、長距離走行が楽になります。コミュニケーションを取りながら、景色や会話を楽しむことができます。
- 役割分担:
- パイロット: ハンドル操作、ブレーキ操作、変速操作など、自転車の操作全般を担当します。周囲の状況を把握し、コパイロットに情報を伝えます。
- コパイロット: ペダリングによる推進力サポート、パイロットへの状況伝達、景色や会話を楽しみます。特に視覚障がい者の場合は、パイロットとの連携が重要になります。
- 交通ルール
- 走行:一番左側の通行帯を通行しなければなりません。通行帯がない場合は、道路の左側に寄って通行しなければなりません。
- 歩道走行不可:タンデム自転車は普通自転車に含まれないため、例外なく歩道を走行することはできません。なお、タンデム自転車から降りて押して歩いた場合は歩行者とみなされます。
- 補助標識:タンデム自転車は普通自転車に含まれないため、「自転車を除く」の補助標識がついても該当しません。
- 右折方法:原則として2段階右折で行います。信号は歩行者用信号ではなく車両用信号、または歩行者・自転車専用信号に従ってください。
安全に関する説明
安全にタンデム自転車を楽しむために、以下の点に注意してください。
- ヘルメット着用: 必ずヘルメットを着用してください。
- 安全確認: 出発前には、自転車の状態(タイヤの空気圧、ブレーキの効き具合など)を必ず確認してください。走行中も周囲の状況に注意し、危険を予測するように心がけてください。また、レンタルするタンデム自転車によっては、自転車のブレーキの利き手の配置が異なる場合がありますので必ず確認してください。
- 注意点:
- 2人で漕ぐためスピードが出やすいです。安全な速度で走行してください。
- 車体が長く小回りが利かないです。
- 急な操作は避け、ゆっくりと操作してください。
- 下り坂ではスピードが出過ぎないように、ブレーキを適切に使用してください。
- 体調が悪い場合は、無理に走行しないでください。
操作方法の説明
タンデム自転車の操作は、通常の自転車と基本的には同じですが、2人乗りであるため、いくつかの注意点があります。
- 発進: パイロットの指示に従い、2人でタイミングを合わせてペダルを漕ぎ出します。
- 停止: パイロットがブレーキをかけ、2人でバランスを取りながら停止します。※コパイロットはパイロットが「漕ぐのをやめます」と声をかけてからペダリングを停止します。
- 変速: パイロットが変速操作を行い、2人でケイデンスを合わせてペダリングします。
- 旋回: パイロットがハンドルを操作し、2人で体を傾けて旋回します。特に低速での旋回はバランスを崩しやすいので注意が必要です。
声掛けの練習
(視覚障がい者コパイロットへ
声掛けする場合)
視覚障がい者のコパイロットとの走行では、声かけが非常に重要になります。以下の例を参考に、状況に合わせた声かけを心がけてください。
- 発進時: 「ペダルに足を乗せて準備してください。(右足から)発進します。」
- 停止時:
「(あと)20メートルで停止します。」
(停止位置の10メートル手前ぐらいで)「ペダルを漕ぐのをやめます。(足を止めます。)」
(停止位置の5メートル手前ぐらいで)「停止します。」 ※「停止します」の声かけと同時に、パイロットとコパイロットの二人が足を地面に着け、自転車を安定させて支えます。 - 旋回時:
「(あと)20メートルで右(左)に曲がります。(少し体を右に傾けてください。)」
「(5メートル手前ぐらいで)右に曲がります。」 - 路面状況: 「前方に段差があります。」「路面が少し荒れています。」
- 坂道時:
「これから上り坂に入ります。しっかり漕いでください。」
「緩やかな下り坂に入ります。スピードが出るので、ペダルを漕ぐのをやめます。」
「下り坂が終わります。ペダリングを再開します。」 - 周囲の状況: 「右側に歩行者がいます。」「後ろからから車が来ます。」など
- その他: 「調子はどうですか?」「疲れていませんか?」「XXXXの周辺です。」「紅葉が奇麗です。(景色の説明)」など
ポイント:
- 具体的で分かりやすい言葉を使う。
- タイミング良く、必要な情報を伝える。
- 常にコパイロットの状態に気を配る。
- 会話中でも安全や体調に関する声掛けがを優先する。
実走練習
これまでの説明を踏まえ、実際にタンデム自転車に乗って練習しましょう。
- 基本操作の練習: 発進、停止、変速、旋回などの基本操作を繰り返し練習します。
- 声かけの実践: コパイロットに声をかけながら、走行練習を行います。路面状況や周囲の状況を伝え、安全な走行を心がけましょう。
- コース走行: 慣れてきたら、短いコースを設定して走行練習を行います。
よくある質問
Q: タンデム自転車は普通の自転車と何が違いますか?
A: 一番の違いは、2人で乗る点です。そのため、フレームが長く、ペダルが2組あります。また、2人で協力して漕ぐことで、推進力が増し、長距離走行が楽になります。
Q: コパイロットの役割は何ですか?
A: コパイロットは、パイロットをサポートする役割です。ペダリングによる推進力サポートだけでなく、パイロットへの状況伝達や、景色や会話を楽しむことも重要な役割です。
Q: 視覚障がい者とタンデム自転車に乗る際の注意点は?
A: 声かけが非常に重要になります。路面状況や周囲の状況を具体的に伝え、常にコパイロットの状態に気を配るようにしてください。急ブレーキ、急停止のように、「急」が付く動作は極力行わないように、周辺の状況に注意しながら走行してください。
Q: タンデム自転車はどこで乗れますか?
A: 一般道で走行可能です。自転車走行が許可されているサイクリングロードでも走行可能です。サイクリングロードを走行する場合は、事前に確認するようにしてください。
質疑応答
ご不明な点や疑問点がございましたら、お気軽にご質問ください。
まとめ
この講習では、タンデム自転車の基本、安全、操作方法、声かけ、そして実走練習について学びました。これらの知識と経験を活かして、安全で楽しいタンデム自転車ライフをお送りください。